日本臨床外科学会雑誌
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播種性骨髄癌症をきたした若年者大腸粘液癌の1例
広瀬 由紀松下 利雄山本 広幸藤井 秀則田中 文恵
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2002 年 63 巻 4 号 p. 964-966

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抄録

若年者大腸粘液癌で播種性骨髄癌症をきたした症例を経験したので報告する.症例は37歳男性で,直腸癌に対し直腸切断術を施行した.病理診断は粘液癌であった.手術から約1年後に腰痛,発熱と血尿をきたした. MRIおよび骨シンチグラムにて腰椎を中心としたびまん性の骨転移を認め,血液検査では血小板の減少そして末梢血でのleucoerythroblastosisがあり,播種性血管内凝固症候群(DIC)を伴う播種性骨髄癌症と診断した.化学療法を施行したが,約3カ月後に死亡した.若年者大腸癌,大腸粘液癌そして大腸癌における播種性骨髄癌症に対して文献的考察を加えた.

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