63 巻 (2002) 5 号 p. 1112-1116
症例は41歳,女性.6年前の初診時,高Ca血症クリーゼのため緊急入院となり,pamidronateが著効した.左乳癌骨転移による高Ca血症との診断後,LH-RH agonistを含む内分泌・化学療法が奏効し,入院45日目にAuchincloss法を施行した. t2n1 βm Stage IVで組織学的には硬癌であった. ER・PgRともに陰性であったが,術後LH-RH agonist, ADM, 5'-DFUR, MPAの併用で寛解を得た.術後42カ月目に骨転移が再燃したが,化学・放射線(Co)療法で再び寛解が得られた. LH-RH agonistを継続し,維持療法を行っていたが,術後66カ月目に胸骨柄部に腫瘤形成して再々燃してきた.化学療法は奏効せず, Liniac (X線4MeV)照射したところ,寛解が得られた. 6年以上にわたりLH-RH agonistを使用しているが,その間,月経の発来,骨塩量減少もなく,骨以外に新たな転移巣を認めずに経過している.