63 巻 (2002) 5 号 p. 1157-1161
食道原発悪性黒色腫症例に対して縦隔鏡補助下にてtranshiatal esophagectomyおよびリンパ節郭清を行った.症例は74歳男性,上部消化管の内視鏡にて,胸部中部食道に一部黒色の長径1.5cmの表在型隆起性病変を認め,当院内科にて生検,食道原発悪性黒色腫と診断された.平成13年8月19日手術施行した.手術は頸部,腹部両側から同時に開始,頸部,腹部リンパ節は通常の郭清を,縦隔リンパ節は縦隔鏡補助下にて傍食道リンパ節の郭清とNo107, 109リンパ節のサンプリングを行った.両側106反回リンパ節は頸部側より郭清した.手術時間は4時間30分,組織所見はpT1b (SM) N0M0, pStageIであった.術後経過は順調で,約5カ月経過した現在のところ再発および転移を認めていない.低侵襲手術である縦隔鏡補助下transhiatal esophagectomyは,本症例に対して適切な手術と考えられた.