日本臨床外科学会雑誌
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同時性肺転移を伴った肝芽腫の1例
宮内 勝敏高橋 広鈴木 秀明堀内 淳渡部 祐司吉川 浩之楠瀬 浩之河内 寛治
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キーワード: 肝芽腫, 肺転移, 肺切除
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63 巻 (2002) 9 号 p. 2245-2250

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抄録

両側肺転移を伴った肝芽腫の経過良好例を報告する.症例は1歳4カ月の男児.汗疹を主訴に近医を受診し,腹部腫瘤を指摘され,当院に入院した. AFPは1.38×106ng/mlと高値で,胸腹部CTで両側多発性肺腫瘤と肝左葉全体と右葉に及ぶ巨大肝腫瘍を認め,両側肺転移を伴うStage IV肝芽腫と診断した. cisplatine (CDDP)とpinorubin (THP-ADR)を中心とした化学療法4クールと肝動注塞栓療法を施行後,治療開始3カ月後に拡大肝左葉切除, 4カ月後に両側肺部分切除および2年後に左肺部分切除を施行した.術後1年2カ月後, AFPは正常域で,再発の徴候を認めていない.
初診時より両側肺転移を伴った進行肝芽腫に対し,化学療法と積極的な外科療法によって,原発巣の完全切除と転移巣のコントロールができ,良好な結果を得ることができた.

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