日本臨床外科学会雑誌
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小腸アニサキスによる腸閉塞の1例
津田 寛小長谷 一郎邱 明麟
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2003 年 64 巻 1 号 p. 111-115

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抄録

症例は51歳,男性.主訴は腹痛.魚介類生食の後発症した.イレウス症状を伴う急性腹症の診断の下に開腹し小腸部分切除術を施行したところ,切除標本において粘膜内に頭部を迷入したアニサキス虫体を認めたため本症と診断した.
イレウス症状を呈する急性腹症の診断に際して,腹痛が激烈な割に全身状態が良好で腹部超音波検査で腹水と腸管壁の限局性の肥厚がみられた場合は小腸アニサキス症を鑑別診断に加え,魚介類の生食の有無を詳細に聴取することが重要と思われた.

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