千葉大学大学院先端応用外科学では50年前から外科医育成の教育を大学のカリキュラムに沿って行い,関連病院に外科医を派遣してきた.外科手術の評価のためには手術の安全性や手術成績が公表される必要があると考えられる.そこで大学および関連病院における大腸癌治療の成績をアンケート調査しその結果を示し,ばらつきについて報告した.今回調査した病院における直接死亡率・在院死亡率からみた手術関連死亡は全国統計より低く手術が安全に行われていた.しかし腹腔鏡補助下大腸癌切除術の適応や下部直腸癌に対する自律神経温存と側方郭清については施設により方針に相違がみられた.今回のアンケート調査結果を大学および関連施設の連携に反映させ,地域住民のための手術成績向上に寄与したい.