日本臨床外科学会雑誌
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腹部銃創の2例
深見 保之長谷川 洋小木曽 清二坂本 英至伊神 剛森 俊治
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キーワード: 腹部外傷, 銃創
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2003 年 64 巻 10 号 p. 2495-2499

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抄録

症例1は45歳,男性.ピストルで左側腹部を撃たれ救急外来に搬送された.血圧は触診で60mmHg,左側腹部に射入創,右側腹部の皮下に銃弾を触知した.開腹すると, S状結腸間膜と空腸間膜が損傷を受け,空腸と上行結腸が穿孔していた.空腸部分切除,回盲部切除術を施行し,術後28病日に退院した.
症例2は41歳,男性.ピストルで数発撃たれ受傷し来院した.右腋窩に貫通銃創,腰部から左腹部に抜ける貫通銃創,左大腿に貫通銃創,右腹部に盲管銃創,左下腿に盲管銃創を認め,開腹し空腸部分切除,回盲部切除術を施行した.また腹壁と左下腿の弾丸は摘出した.術後45病日に退院した.
銃創は本邦においては稀であるが,今後増加することが予想される.腹部銃創による腹腔内臓器損傷が疑われる場合には,迅速な手術決定が必要であると思われた.

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