64 巻 (2003) 11 号 p. 2700-2704
成人の食道憩室を伴った食道気管支瘻に対し,内視鏡的治療の反復で根治せしめた1例を経験したので報告する.
症例は44歳の女性. 1999年8月頃より胸部不快感出現し,近医にて食道気管支瘻の診断を受け,精査加療目的にて当科入院となった.食道造影にて上部食道に憩室を認め,憩室底部より気管支への造影剤の流入を認めた.外科用接着剤Histoacrylを用い内視鏡的瘻孔閉鎖術を2回施行したが,完治を得られなかった.次に,クリップと生体組織接着剤Beriplast Pを用い内視鏡的瘻孔閉鎖術を試みた.術後6カ月後,再発を認めた.再度,クリップとBeriplast Pを用いた内視鏡的瘻孔閉鎖術を施行し,術後2年7カ月の現在,良好な経過を得ている.
内視鏡的治療は,比較的簡単な手技で安全に繰り返し施行できるため,手術を考慮する前や,全身状態の悪い症例に有用な方法と思われた.