日本臨床外科学会雑誌
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感染防止用外筒付きキットを用いた経皮内視鏡的胃瘻造設術後創部感染の検討
桂 長門伊藤 彰子重城 博一
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2003 年 64 巻 12 号 p. 2970-2974

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抄録

経皮内視鏡的胃瘻造設術(percutaneous endoscopic gastrostomy: PEG)後の創部感染防止対策として,外筒付きキット(日本Sherwood社製Kangaroo kit Pull type 20Fr.)を使用する方法を採用し,従来法よりも創部感染を減少させることが出来た. 1999年1月から2003年3月までに当院で施行された128例の内94例を対象とし検討した.従来法(Bard社製PEG kit Pull type 20Fr.) 54例をGroup A,外筒付きキットを用いた40例をGroup Bとした. Group Aでは, 54例中21例(38.9%)に創周囲の炎症所見が認められ,抗生剤投与延長もしくは他剤への変更を必要と判断した症例を有感染症例とし, 13例(24.1%)であった. Group Bでは, 40例中創周囲の炎症所見を3例(7.5%)に認めたものの,抗生剤投与延長もしくは他剤への変更が必要と判断した症例はなく,明らかな有感染症例は認めなかった.本法はPEG後の創部感染防止に有効であることが示唆された.

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