日本臨床外科学会雑誌
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術後28年目に脳転移をきたした乳癌の1例
野見 武男中辻 直之杉原 誠一堀川 雅人森川 和要丸山 博司
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2003 年 64 巻 12 号 p. 3014-3018

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抄録

乳癌手術後28年目に脳転移をきたした1例を経験した.症例は74歳,女性.主訴はめまい,頭痛. 46歳時,右乳癌(浸潤性乳頭腺管癌)で乳房切除術を受けた.今回入院時,右小脳症状を認め,頭部CT, MRI検査で右小脳半球に5×3cmの腫瘍と,右尾状核頭部に7mmの腫瘍を認め,転移性脳腫瘍と診断した.原発巣を検索するために全身諸検査を施行したが異常を認めず,既往乳癌の脳転移を最も疑い小脳腫瘍摘出術を施行した.病理組織学的に浸潤性乳頭腺管癌で,既往乳癌の脳転移の像として矛盾しなかった.術後20カ月の現在,生存中である.

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