2003 年 64 巻 12 号 p. 3019-3021
症例は28歳,未婚女性.漏斗胸の治療を希望し当院を受診した.従来の漏斗胸手術を拒否されたため,十分なインフォームド・コンセントを得た上で, Nuss法を行うこととした.第3-5肋骨を不完全骨折させた後に, 2本のpectus barを用い,胸部の陥凹を矯正した.術後疼痛以外には術中,術後には大きな合併症を認めなかった.術後6カ月目の胸部CTでも胸郭矯正効果は良好であった. Nuss法は今後,成人の漏斗胸の治療法として1つの有効な選択肢になると思われる.