2003 年 64 巻 12 号 p. 3040-3043
症例は52歳,女性.乳房温存療法施行後タモキシフェンの投与を受けている.投与8カ月を経過した時点で,発熱,咳嗽を主訴に来院した.胸部X線写真, CTでは左肺上,中葉にconsolidationを認め, BOOPと診断した.プレドニゾロンの内服により症状は軽快し,胸部陰影は消失した.この時点では,薬剤が原因かどうか特定できなかったため,タモキシフェンを再開したところ,今度は右肺上葉にすりガラス様陰影の出現を認めた.上記経過により,自験例はタモキシフェンによる薬剤性肺炎と診断された.