日本臨床外科学会雑誌
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Weekly paclitaxel投与が有用であった再発胃癌の1例
野口 純也北原 光太郎伊達 和俊小野 一之
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キーワード: 再発胃癌
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2003 年 64 巻 12 号 p. 3074-3077

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抄録

症例は70歳,女性. 2001年4月,胃癌に対して幽門側胃切除術を施行.病理結果はtub2, T2 (SS), ly3, v0, N1, CY1で, Stage IV, CurCであった.軽快退院後, UFT (400mg/day)の経口投与を行っていたが, 2001年7月頃より腫瘍マーカーが上昇し, 9月よりTS-1 (100mg/day)の内服を開始した.一時腫瘍マーカーの低下を認めたものの,その後再上昇をきたし副作用も出現したため3クールにて中止した.その後,閉塞性黄疸,大動脈周囲リンパ節腫大,両側水腎症,腹水貯留などが出現し, 2003年1月よりpaclitaxel 70mg/m2のweekly投与を開始した. 1クール終了後には閉塞性黄疸のため挿入されていたPTCDtubeが抜去可能となり, 3クール終了後にはリンパ節腫大の縮小,両側水腎症の改善,腹水の消失を認め,患者のQOLを著明に改善できた.再発胃癌に対する化学療法としてpaclitaxelのweekly投与が期待できる選択肢になり得ると思われた.

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