64 巻 (2003) 12 号 p. 3082-3086
空腸angiodysplasiaの1切除例を経験したので報告する.症例は66歳,女性.貧血精査にて当院入院となる.入院後,タール便を繰り返すため,上部消化管内視鏡,注腸透視を行ったが,明らかな出血源を認めなかった.小腸疾患を疑い,腹部血管造影を行ったところ空腸動脈枝末梢に血管性病変を認め,流入動脈末梢にマイクロコイルを留置し,手術を施行した.術中透視にて,マイクロコイルを確認したのち,病変を含め小腸部分切除を行った.切除標本では6×6mm大の暗赤色で表面平滑なIsp型腫瘤を認めた.病理組織検査では,小動静脈および毛細血管の増生と血管壁の平滑筋線維の増生を認め, angiodysplasiaと診断された.