日本臨床外科学会雑誌
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巨大肝嚢胞による閉塞性黄疸の1例
永吉 茂樹須藤 隆一郎川添 康池田 祐司中安 清江里 健輔
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2003 年 64 巻 3 号 p. 710-714

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抄録

巨大肝嚢胞により閉塞性黄疸をきたす症例は稀である.今回われわれは閉塞性黄疸をきたした巨大肝嚢胞に対して開窓術を行い,良好な経過を得たので報告する.
症例は73歳,女性で,皮膚黄染,食思不振を訴えて来院した.初診時,黄疸・肝機能異常を認め,精査にて肝門部に径13×9cmの肝嚢胞を認めた.胆管は肝門部にて閉塞し,肝内胆管は両側とも著明に拡張していた.右肝内胆管に対しPTCD施行.その後良好に減黄,肝機能改善を認めた.しかし,左肝内胆管が完全閉塞状態であることに加え,閉塞性黄疸の原因として胆管癌の存在を完全に否定しえなかったため,手術を施行した.開腹術により胆管癌が否定されたため,開窓術を施行し,術後経過は良好であった.

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