日本臨床外科学会雑誌
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早期胃癌と胃GISTが同一部位に合併した1例
奥村 権太田中 一郎田中 圭一金子 英彰小森山 広幸萩原 優
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2003 年 64 巻 4 号 p. 851-854

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抄録

症例は72歳,男性.平成12年9月15日,吐血にて当院受診.上部内視鏡および消化管造影検査にて胃体中部の進行胃癌と診断し,胃全摘Roux-en-Y吻合(D 2)施行した.切除標本では胃体中部小彎前壁に4.8×3.3×1.6cmの粘膜下腫瘍を認め,さらにこの粘膜下腫瘍上にかかる形で, 4.7×4.0cmのIIa集簇型病変を認めた.病理組織学的所見は粘膜下腫瘍部分が免疫組織化学的にgastrointestinal stromal tumor (GIST)と診断され, IIa集簇型病変は深達度Smの中分化型早期胃癌と診断された.近年GISTの概念が一般的となり,消化管上皮性腫瘍との合併例の報告が散見されてきているが,今回われわれは早期胃癌と胃GISTが同一部位に合併した稀な1例を経験したので報告する.

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