日本臨床外科学会雑誌
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術中内視鏡検査が有用であった小腸潰瘍瘢痕狭窄の1例
高谷 義博八坂 貴宏藤原 紳祐大坪 竜太
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2003 年 64 巻 4 号 p. 907-911

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抄録

症例は71歳,男性. 2001年11月,心窩部痛を訴え,精査加療目的で入院した.腸炎と診断し,保存的に加療した. 3病日より食事を再開したが,症状再燃を認め,保存的治療を継続した. 31病日,腸閉塞が顕在化し,造影により,器質的狭窄の存在を強く疑い, 39病日,腹腔鏡補助下手術を実施した.触診上,回腸に数個の硬結を認めた.同部位を切開し,膜様狭窄の中心にピンホール状の内腔を認めた.術中小腸内視鏡検査を行い,潰瘍瘢痕狭窄が3箇所存在した.これらを切除し,病理学検査後,分類不能な小腸潰瘍による多発性小腸狭窄と診断した.術後再発は認めていない.臨床的に示唆に富む症例であるため報告する.

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