64 巻 (2003) 8 号 p. 1916-1919
症例は25歳,女性.腹痛を主訴に当院へ救急搬送され入院となった. 1カ月前にも同様の腹痛で他院を受診し,鎮痛剤で改善していた.入院後,経過観察を行っていたが腹痛は悪化し,臍周囲に腫瘤を触れるようになった.緊急CTで部分的な拡張腸管を認め,絞扼性イレウスの診断で緊急手術を行った.開腹すると50cmにわたり空腸が著明に拡張し,肛門側の空腸が腸間膜と一緒に口側へ嵌入する逆行性の小腸重積であった.用手整復を試みたが不可能であり,拡張腸管を含めた小腸部分切除を行った.肉眼的に,拡張した小腸の粘膜は壊死に陥っていた.また,肛門側に径3.5cm大の有茎性小腸ポリープを1個認め,これが今回逆行性の小腸重積を起こしたと考えられた.病理組織学的にはPeutz-Jeghers型ポリープであった.術後の検索では他にポリープを認めず,本例は単発であった.
Peutz-Jeghers型ポリープによる逆行性小腸重積は本邦で報告がなく,若干の文献的考察を踏まえ報告する.