日本臨床外科学会雑誌
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急速に出現増大した腎癌術後晩期肺靱帯転移の1例
團野 克樹東山 聖彦檜垣 直純高見 康二大宮 英泰児玉 憲
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キーワード: 腎癌, 転移性肺腫瘍, 肺靱帯
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64 巻 (2003) 8 号 p. 2020-2024

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抄録

今回われわれは,腎癌根治術後13年目に孤立性肺転移, 15年目に急速増大した肺靱帯転移を発見し,その両転移巣を同時に切除しえた症例を経験したので報告する.症例は77歳,女性, 1987年左腎細胞癌にて左腎摘出術施行. 2000年4月,胸部X線検査で右肺にcoin lesionが出現.胸部CT上,右肺S3に9mmの腫瘤を認めた. 2002年1月肺穿刺細胞診施行,腎細胞癌肺転移と診断.その際前回CTではなかった, 3cmの腫瘤を右肺S10に認めた.両病巣とも肺部分切除にて切除.病理学的にS3は肺内転移であったが, S10病変は肺外肺靱帯内への転移で,且つ両転移巣間に病理組織学的な違いは観察されなかった.腎癌転移巣では陰影増大の速度や大きさのみで手術適応を判断すべきでなく,その多様な病態を考慮して治療法を選択すべきと考えられた.腎癌の肺靱帯への転移は極めて稀で,調べ得る限り報告がないため報告した.

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