日本臨床外科学会雑誌
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急性虫垂炎を契機に発見された無症候性尿膜管嚢胞の1例
今井 俊山本 裕萬谷 京子米川 甫
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キーワード: 尿膜管嚢胞, 尿膜管遺残
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2003 年 64 巻 9 号 p. 2306-2308

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抄録

症例は31歳,男性で,右下腹部痛を主訴として来院した.腹部CT検査および超音波検査により虫垂の腫大と臍下部から膀胱上部に至る嚢胞性病変を認め,精査加療目的にて当科入院となった.急性虫垂炎の悪化により,緊急手術を施行した.術中臍下部より腹横筋膜と腹膜の間に,感染所見を伴わない淡黄色透明な液に満たされた嚢胞を認めた.虫垂炎および尿膜管嚢胞と診断し,虫垂切除術および嚢胞摘出術を施行した.無症候性尿膜管嚢胞の報告は,検索しえた範囲では本邦5例目であり,無症候性尿膜管嚢胞の報告が化膿性尿膜管嚢胞に比べて極めて少ない.

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