65 巻 (2004) 11 号 p. 2976-2980
横行結腸癌に併発した孤立性化膿性肝膿瘍を経験したので報告する.症例は70歳,男性.微熱と全身倦怠感を主訴に当院を受診した.腹部超音波検査を施行したところ,肝右葉に径8cm大の孤立性肝膿瘍が発見され,入院となった.抗生物質の投与と経皮経肝膿瘍ドレナージを施行し,原因の検索を行った.膿瘍の細胞診では悪性細胞を認めず,培養検査では起炎菌が同定されなかった.上部消化管内視鏡検査, 3D-DIC-CT検査では異常を認めなかったが,注腸造影検査で横行結腸に腫瘤性病変が発見された.下部消化管内視鏡検査で同部にType IIの腫瘍性病変が同定され,生検にてgroup Vの診断を得た.肝膿瘍の平静化の後,結腸右半切除術(D3)を施行した.術後経過は良好であり,大腸癌,肝膿瘍ともに再発の徴候を認めていない.