日本臨床外科学会雑誌
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Press through package誤飲による回腸末端部穿孔の1例
鈴木 宏光松本 英男土肥 俊之
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キーワード: 消化管異物, 小腸穿孔
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2004 年 65 巻 12 号 p. 3198-3201

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抄録

PTP (press through package)誤飲による回腸末端部穿孔の1例を経験したので報告する.症例は68歳男性で右下腹部痛を主訴に夜間来院した.体温は37.8度で右下腹部に自発痛,圧痛を認めたが,白血球数8,550/mm3と基準範囲であり,抗生剤による保存的治療を選択した.翌日,白血球数9,520/mm3と軽度上昇し,圧痛も増強, Blumberg徴候陽性となった.腹部CTにて,回盲部後腹膜腔,および腸間膜にfree airを認めたため,緊急手術を施行した.回盲部に大網が癒着していたが,炎症所見は軽度であり回盲部切除術を施行した.回腸口側切除断端よりPTPが摘出され,切除標本において回腸末端部にPTPによると思われる穿孔を認めた. PTP異物症の症例数は年々増加傾向にあり,薬剤包装様式の工夫が必要であると思われた.

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