日本臨床外科学会雑誌
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原発巣切除8年後に肝転移をきたした十二指腸GISTの1例
渡辺 真実飯合 恒夫黒崎 功横山 直行神田 達夫畠山 勝義
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キーワード: 十二指腸GIST, 肝転移, 肝切除
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2004 年 65 巻 2 号 p. 400-403

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抄録

症例は53歳,男性. 1993年12月7日,十二指腸平滑筋肉腫の診断で当科にて幽門側温存十二指腸切除術(PPPD)を施行された.その後他院にて経過観察されていたが, 2001年10月の検診で軽度肝機能障害を指摘された.腹部CTにて肝S4を主体とした直径7cmの嚢胞状腫瘤を認め,辺縁に腫瘍成分を認めたため,十二指腸平滑筋肉腫の肝転移が強く疑われた. 2002年3月5日,肝中央2区域切除術を施行した.病理組織所見では,腫瘍は紡錘形の細胞からなり,免疫染色で, c-kit陽性, SMA陰性, desmin陰性, caldes-mon陰性, CD34陰性でありGISTと診断された.本症例のように, GISTは切除後5年以上経過してから再発する例も認められ,術後長期の経過観察が必要である.

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