日本臨床外科学会雑誌
肛門から脱出した成人大腸重複症を腹腔鏡補助下にて切除した1例
菅沼 利行識名 敦田中 正文青笹 季文宇都宮 勝之長谷 和生
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65 巻 (2004) 2 号 p. 433-438

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抄録

症例は41歳,女性.肛門からの腫瘤脱出を主訴に精査目的にて入院.下部消化管造影検査,大腸内視鏡検査にてS状結腸に5 cm大の表面平滑な半球状の粘膜下腫瘍様病変を認めた.腹部CT検査では骨盤腔左側に内部不均一な境界明瞭な腫瘤性病変を認めた.以上よりS状結腸粘膜下腫瘍疑いにて腹腔鏡補助下S状結腸部分切除術を施行した.腫瘤は塑性を有し,腸間膜側に境界明瞭な憩室様突起構造を認めた.摘出標本では腸間膜側に主座を置く嚢胞状病変を認め,管腔側頂部に小孔を有し,内部に糞便の貯留が認められた.病理診断では嚢胞壁は結腸粘膜と独自の平滑筋層を有し,大腸重複症と診断された.異所性粘膜や悪性腫瘍の合併は認められず,術後経過も良好にて第13病日に退院した.成人大腸重複症は極めて稀な疾患であり,その術前診断は容易ではない.腹腔鏡補助下にて切除しえた報告はなく,本疾患の治療法の一つとして有用であると思われた.

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