日本臨床外科学会雑誌
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術前に診断したα-fetoprotein産生直腸癌の1例
小島 豊権田 厚文藤井 祐二関 英一郎櫻井 秀樹大坊 昌史
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2004 年 65 巻 6 号 p. 1613-1619

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抄録

症例は76歳,男性.食欲不振と体重減少を主訴に近医受診.血液生化学検査でAFP 531ng/mlと高値を示したため,当院紹介入院となった.精査でRb~Raに2'型のほぼ全周性の直腸癌を認めた.しかしAFPが高値のことより直腸原発のAFP産生腫瘍を考慮し生検組織に対し抗AFP抗体による免疫染色を行い,腫瘍細胞の一部に陽性反応を認めた.術前,肝臓に異常所見は認められなかった.以上よりAFP産生直腸癌の診断で直腸切断術を施行.病理組織学的検査の結果,中分化腺癌と低分化腺癌の組織像を呈しており,低分化腺癌部ではhepatoid differentiationを示していた.両部位でAFP免疫染色陽性であった.術後1カ月には多発性肝転移を認め,術後3カ月で永眠された. AFP産生大腸癌は稀でわれわれが検索した限り,論文報告例は自験例を含め33例であった.

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