日本臨床外科学会雑誌
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胃癌肝転移切除症例の検討
清水 大喜河内 保之嶋村 和彦西村 淳新国 恵也清水 武昭畠山 勝義
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2004 年 65 巻 7 号 p. 1755-1761

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抄録
〈目的〉胃癌肝転移症例に対する肝切除術の意義について検討した. 〈対象〉 1991年から2002年の間に新潟県厚生連長岡中央綜合病院で胃癌肝転移症例に対し肝切除術を施行した17例, 19回(再肝切除2例)を対象とした. 〈結果〉 17例中10例が死亡, 7例が生存中で, 5年生存率は22%, 50%生存期間は15.2カ月であった. 5年以上の長期無再発生存を2例認めた.残肝再発を11例に認めた.術後予防的肝動注化学療法を施行した群では,累積生存率は変わらなかったが,残肝再発は減少した.また,死亡10例のうち残肝再発単独は4割であったのに対して,腹膜播種,リンパ節転移などによる再発死を5例認めた. 〈まとめ〉 2例の長期生存を含め, 5年生存率22%の結果を得た.さらに予後向上のためには,術後肝動注化学療法,全身化学療法を併用した集学的治療を行うことが必要であると考えられた.
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