日本臨床外科学会雑誌
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十二指腸乳頭部原発印環細胞癌の1例
安村 友敬野方 尚矢川 彰治小澤 俊総
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2004 年 65 巻 9 号 p. 2356-2361

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抄録

今回われわれは十二指腸乳頭部原発の印環細胞癌という稀な1例を経験したので報告する.症例は64歳,男性.平成12年9月25日上腹部痛を主訴に当科入院となった.超音波検査で胆道拡張が認められ,血液生化学検査より閉塞性胆管炎を生じていた.腹部CT検査を施行したところ総胆管末端に腫瘍の存在が疑われた.内視鏡検査にて十二指腸乳頭部に腫瘤潰瘍型の腫瘍が確認され生検の結果,印環細胞癌と診断された. 10月11日全胃幽門輪温存膵頭十二指腸切除を施行, 10×10×8mmの小さな病変であったがすでに膵浸潤,リンパ節転移を伴っていた.退院後も補助化療を継続したが術後23カ月目にCEA値が上昇,骨シンチで多発骨転移が認められ,術後31カ月目に播種性血管内凝固症候群を生じ死亡した.

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