日本臨床外科学会雑誌
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非観血的嵌頓整復術を行った閉鎖孔ヘルニア嵌頓の2例
三田 篤義川手 裕義
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65 巻 (2004) 9 号 p. 2499-2501

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抄録

閉鎖孔ヘルニア嵌頓2例に対し非観血的整復術を行い,長期経過観察あるいは待期手術を行った.その経過と手技の詳細について報告する.症例1は84歳,女性で,右鼠径部・大腿部痛を主訴に来院した.骨盤部CTにより右閉鎖孔ヘルニア嵌頓と診断されたが,嵌頓は自然整復された.本人の希望により手術を行わず経過観察したが, 8回再発を認め,その都度非観血的整復術を行った.発症より2年11カ月後にうっ血性心不全のため死亡した.症例2は73歳,女性で,腹痛・左鼠径部痛を主訴に来院した.左大腿部内側皮下に腫瘤を触知したため,骨盤部CTを施行し,左閉鎖孔ヘルニア嵌頓と診断した.非観血的整復術により症状の改善を認め,待期的手術を行った.術後経過良好で,無再発生存中である.閉鎖孔ヘルニア嵌頓に対する非観血的整復術は疼痛の緩和,緊急手術の回避に有用であるが,整復後も嵌頓を繰り返すことが多いため,手術による根治が望ましいと考えられた.

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