66 巻 (2005) 1 号 p. 97-101
Gastrointestinal stromal tumor (GIST)は免疫染色の発達に伴い概念が確立されてきたが,壁外性発育が多く症状を呈しにくい.われわれは腹腔内出血にて発症した小腸GISTの1例を経験したので報告する. 70歳,男性.主訴は腹痛.貧血を認め,血性腹水および腹腔内腫瘤を認めた.抗凝固療法に伴う出血の可能性があり,輸血,止血剤の投与を行い一時軽快したが,下血出現.血管造影にて腫瘍濃染像を認め小腸腫瘍と診断し開腹手術を行った.トライツ靱帯より約30cmの小腸に11×7cmの弾性軟な腫瘍を認め,腹膜播腫を伴っており小腸部分切除を施行した.病理組織では核異型の強い紡錘型細胞が錯綜しており, mitotic indexは高く,細胞密度も高かった.免疫染色ではc-kit, α-SMA, desmin, vimentin, NSE, S-100蛋白いずれも陽性でありmalignant GISTと診断した.