日本臨床外科学会雑誌
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早期胃癌に対する腹腔鏡補助下幽門側胃切除術の検討
清地 秀典梶原 伸介岩川 和秀岡田 憲三飯森 俊介杉下 博基井上 仁加洲 保明松本 康志坂尾 寿彦
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2005 年 66 巻 12 号 p. 2909-2914

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抄録

当科にて早期胃癌症例に対して行われた63例の腹腔鏡補助下幽門側胃切除術(LADG)を分析し検討した.またretrospectiveな比較として, LADG症例および同時期の開腹幽門側胃切除症例から, D1+αの郭清, B-I法再建がなされた各々49例と48例を検討した. LADG症例の手術時間はBMI値の上昇に伴い長くなった(p<0.01).縫合不全のあった症例のBMI値は有意に高かった(p<0.05).開腹症例との比較ではLADG症例は手術時間が長かった(p<0.01)が,イレウスの発生率は低かった(p<0.01).さらに周術期合併症がなくBMI値がnormal rangeの各々25例と20例に絞り込んで比較すると初回排ガスまでの期間,術後在院日数がLADG症例で短かった(p<0.05, p<0.05).当科でのLADGは特に肥満患者において手技的な課題があるものの術後イレウスが少なく,完成度を高めてゆけば周術期QOLの改善に有用な方法になりうることが示唆された.

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