日本臨床外科学会雑誌
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異なる組織型を呈した同時性大腸4多発癌の1例
塩田 哲也横尾 直樹吉田 隆浩長田 博光岡本 清尚
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66 巻 (2005) 2 号 p. 442-447

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抄録

症例は82歳の男性で,平成14年9月,近医での超音波検査にて腹部腫瘤影を認めたため当院受診した.大腸内視鏡検査では, (1) 横行結腸中央やや口側 (2) 横行結腸中央部 (3) S状結腸の計3箇所に腫瘍を認めた. (1) の腫瘍による狭窄のため,右半結腸の術前評価は困難であった.各部の腫瘍生検では,それぞれ (1) 粘液癌 (2) 低分化腺癌 (3) 中分化腺癌を認めた.以上より同時性大腸3多発癌と診断し,平成14年10月に手術を施行した.一部は十二指腸壁と強固に癒着していたため,十二指腸部分切除を伴う拡大右半結腸切除術・S結腸切除術を施行した.摘出標本では,腫瘍は (4) 肝鷺曲部の1箇所を加えた4箇所に認めた.それぞれ (1) (5型, se) (2) (3型, se) (3) (3型, se) (4) (2型, mp) であった.大腸の同時性4多発癌は比較的稀であるが,加えて3箇所で異なる組織型を呈する症例は極めて稀であり,若干の文献的考察を加えて報告した.

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