66 巻 (2005) 2 号 p. 501-505
症例は77歳,女性.体重減少,食欲不振を主訴に近医受診.精査の腹部エコーにて腹部巨大腫瘤を指摘され,当科入院となった.入院時,上腹部に11×10cmの弾性硬で可動性良好な巨大腫瘤を触知し,白血球10,300/mm3, CRP 20.3mg/dlと著明な炎症所見を認めた.腫瘍マーカーは正常範囲内であった.精査後,腫瘤摘出術を施行.腫瘤はTreitz靱帯より10~15cmの空腸腸間膜由来の腫瘍であり, 14×15×15cm, 920gであった.病理の結果,悪性線維性組織球腫 (malignant fibrous histiocytoma; 以下MFH) であった.治療法は広範囲切除を含めた積極的な外科的治療が有効と考えられるが,再発・転移率は高く予後不良である.本症例では腫瘤の完全切除を行い,術後14カ月を経過した現在も無再発生存中だが,慎重な経過観察が必要である.