日本臨床外科学会雑誌
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全内臓逆位を伴った巨大腹腔内遊離体の1例
藤田 佳史蔭山 典男山岸 久一
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2005 年 66 巻 3 号 p. 724-728

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抄録

全内臓逆位を伴った巨大腹腔内遊離体の1例を経験したので,文献的考察を加えて報告した.症例は75歳,全内臓逆位を伴った男性で, 2002年10月に肝S5に径15mmの肝細胞癌を指摘され,ラジオ波焼灼療法 (radio-frequency ablation; RFA) 目的にて入院中,頻尿を主訴に当院泌尿器科を受診.精査にて膀胱を圧迫する後腹膜腫瘍を認めた. 2003年1月,再入院し摘出術を施行した.病理組織検査では腹腔内遊離体の診断を得た.術後経過は良好で10日目に退院,現在外来通院中である.本症例のような全内臓逆位を伴った腹腔内遊離体の本邦での報告例は,われわれが調べた限りではなかった.

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