日本臨床外科学会雑誌
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骨・軟骨化生を伴う乳癌の1例
首藤 恭広青野 豊一田中 康博三方 彰喜
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キーワード: 骨・軟骨化生
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2005 年 66 巻 5 号 p. 1020-1022

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抄録

骨・軟骨化生を伴う乳癌は浸潤癌の特殊型に属し,発生頻度は全乳癌の0.003%~0.12%と低い.稀な病理組織型である本例の1例を報告する.症例は61歳,女性.左乳房腫瘤を自覚し平成13年6月当院外来を受診した.触診上,左CD領域に最大径2.1cm大の境界明瞭,弾性硬,表面平滑な腫瘤を触知した.腋窩リンパ節は触知しなかった.穿刺吸引細胞診検査の結果はmalignant, ductal adenocarcinomaであった. T2N0M0 Stage IIAの左乳癌の診断のもとに,平成13年7月乳房扇状部分切除術(Bq+Ax)および広背筋皮弁による乳房再建術を施行した.切除標本は20×18mm大の充実性腫瘍であった.病理組織学的には周辺組織を圧排するように発育する浸潤性の癌病巣であり,内部に軟骨化生病巣が認められ乳管癌部分から移行していた.組織学的診断は骨・軟骨化生を伴う癌, n(0/10)ly(-)v(-)ER(-)PgR(-)であった.術後40カ月後の現在,転移再発徴候を認めていない.

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