日本臨床外科学会雑誌
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食道癌術後に結腸空腸吻合部の遺残胃粘膜から発生した異時性残胃癌の1例
平山 信男宮崎 信一松原 久裕青木 泰斗軍司 祥雄落合 武徳
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2005 年 66 巻 5 号 p. 1049-1053

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抄録

症例は73歳,男性. 1982年胃癌にて幽門側胃切除術 (Billroth II法再建,以下B-II), 1988年胆石にて胆嚢摘出術, 1994年食道癌にて右開胸開腹胸部食道,残胃切除術,胸壁前回結腸再建術を施行. 2001年経過観察目的の上部消化管内視鏡検査で,再建結腸と空腸の吻合部に粘膜不整像あり,生検にて腺癌の診断.手術記録より再建結腸と空腸の吻合に残胃の断端を用いたことが判明,結腸-残胃-空腸切除術,辺縁動脈沿いのリンパ節郭清を併施した.再建はB-IIに準ずる形で行った.術後輸入脚症候群を発症したが保存的に軽快,退院となった.切除標本上3型, tub2, pT2(ss), ly2, v1, infβ, 断端陰性.結腸壁在リンパ節転移を1個認め,現在外来にて抗癌剤 (5FU) 経口投与中,再発の徴候はない.悪性腫瘍の術後は,常に新たな癌の発生を念頭においた検査が必要である,ということを再認識した1例であった.

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