日本臨床外科学会雑誌
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急性増悪により緊急手術を行った多発性単純性小腸潰瘍の1例
川瀬 寛海老原 裕磨奥芝 俊一加藤 紘之近藤 哲
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2005 年 66 巻 5 号 p. 1063-1066

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抄録

症例は63歳男性.前医にて単純性小腸潰瘍と診断され,約2カ月間ステロイドの投与,栄養療法を受けていたが,急激に腹部膨満,右下腹部痛が出現し当院へ救急搬送された.入院時の腹部所見では右下腹部に腫瘤ならびに著明な圧痛を認め,血液検査では高度の炎症反応を認めた.腹部CT上,小腸の拡張像および回盲部に著明な腸管壁と腸間膜の肥厚像を認めた.単純性潰瘍の急性増悪による腸閉塞の診断にて回盲部切除術を施行した.手術所見は回腸に9カ所の狭窄を認め, Bauhin弁から口側約60cmを切除した.病理組織学的には回腸末端に打ち抜き状の深い潰瘍が多発し非特異的急性炎症所見が認められた.また潰瘍部分同士の癒着により腸管狭窄をきたしていた.以上より多発性単純性小腸潰瘍の急性増悪による腸閉塞と診断した.術後経過良好にて術後33日目に軽快退院となり,術後6カ月を経過した現在再発を認めていない.

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