日本臨床外科学会雑誌
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無症状で局在診断が可能であった空腸GISTの1例
遠藤 健松山 秀樹上野 貴史畑中 正行高橋 豊
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キーワード: 核分裂像数
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2005 年 66 巻 5 号 p. 1080-1084

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抄録

症例は51歳,男性で,主訴は特になし.既往症としての糖尿病の経過観察中に施行した腹部超音波で,膵体部下縁に膵との境界不明瞭のSOLを指摘された.腹部CT, 腹部MRIにおいては,膵とは境界のある内部が壊死に陥った血管に富む腫瘍として描出された.腹部血管造影では,上腸間膜動脈より分岐する空腸第一枝を栄養血管とする血管の豊富な腫瘍濃染像を認めた.以上より空腸原発腫瘍 (GIST) と診断し,摘出手術を施行した.腫瘍はTreitz靱帯より3cm肛門側に長径6cmで,腸間膜対側の空腸に壁外性に発育しており,表面は凹凸があり弾性硬であった.病理組織学的検査では,紡錘形の細胞が束状に増殖して錯綜配列をしており,核分裂像がほとんどみられず,免疫染色ではc-kit陽性であり,中等度悪性度のGISTと診断された.

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