日本臨床外科学会雑誌
Online ISSN : 1882-5133
Print ISSN : 1345-2843
ISSN-L : 1345-2843
重複胆嚢管の1例
松本 逸平味木 徹夫沢 秀博上田 隆藤野 泰宏黒田 嘉和
著者情報
ジャーナル フリー

2005 年 66 巻 5 号 p. 1151-1155

詳細
抄録

症例は72歳,女性,主訴は上腹部痛・嘔吐で,精査にて胆石性重症急性膵炎と診断された.膵炎に対する治療を行った後,胆石症に対し腹腔鏡下胆嚢摘出術を待機的に施行した.術前腹部超音波検査では胆嚢内に3~5mm大の結石を多数認めた. MRCP (magnetic resonance imaging cholangiopancreatography) では胆道系に異常を認めなかったが,術中胆道造影で総胆管に流入する2本の胆嚢管を認め重複胆嚢管と診断した.
重複胆嚢管は胆嚢管走行異常の中でも極めて稀と報告されている.手術に際し,胆嚢管の走行異常を疑った場合には,重複胆嚢管の存在も念頭におき,術中胆道造影の施行が必須であると考えられた.
また,自験例を含む報告例27例の集計を行い,検討を行った.

著者関連情報
© 日本臨床外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top