日本臨床外科学会雑誌
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大胸筋内に発症した平滑筋肉腫の1例
田中 善宏渋谷 智顕山本 悟竹内 賢渡辺 敦久野 壽也
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2005 年 66 巻 5 号 p. 1216-1220

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抄録

平滑筋肉腫は,皮膚や皮下軟部組織に発症することはきわめて稀である.今回われわれは,右大胸筋内に発症した平滑筋肉腫の1例を経験したので文献的考察を加え報告する.症例は70歳男性.主訴は右前胸部の皮下腫瘤.右前胸部に20×5mm大の皮下腫瘤を認めた.皮膚の変色は認めず,自発痛・圧痛も認めなかった.過去7年間に3回の右大胸筋原発の平滑筋肉腫を切除されていたが,今回3回目の前胸部での局所再発の診断のもとに,腫瘤広範囲切除を行った.免疫組織化学検査にて平滑筋肉腫局所再発と診断された.過去7年間にわたり,他臓器の腫瘍性病変は認めず,右大胸筋内の血管平滑筋原発の平滑筋肉腫の局所再発と考えられた.術後4カ月を経過している現在,再発・転移徴候は認めていないが,今後さらに厳重な経過観察を要するものと考える.

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