日本臨床外科学会雑誌
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Dieulafoy潰瘍を契機に発見された早期胃癌の1例
五十嵐 章小里 俊幸斉藤 孝晶
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キーワード: Dieulafoy潰瘍, 早期胃癌
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2005 年 66 巻 7 号 p. 1619-1623

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抄録

症例は49歳,男性.吐血を主訴に来院,上部消化管内視鏡検査で胃体上部にDieulafoy潰瘍が認められ,クリップにて止血した.止血後のフォローアップ内視鏡検査で瘢痕化した潰瘍の口側に発赤を伴う不整な粘膜病変が認められ,生検の結果は中分化型腺癌であった.手術は胃全摘術を施行した.病理組織では広範囲なIIc病変(深達度m) 内に潰瘍瘢痕が認められた.潰瘍瘢痕の粘膜下層に小動脈の蛇行,内膜肥厚の所見があり出血の原因と判明した. Dieulafoy潰瘍類似の早期胃癌症例は,検索しえた範囲内では本邦で16例目と少なく,稀な疾患であった.出血性潰瘍病変に内視鏡的止血術を行った後は,止血の確認のみならず,癌の併存にも注意が必要と思われた.

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