日本臨床外科学会雑誌
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術前診断した直腸gastrointestinal stromal tumorの1例
山田 忍冬廣 雄彦山崎 政直康 純明新田 敦範田中 肇
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キーワード: 直腸腫瘍
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2005 年 66 巻 7 号 p. 1684-1689

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抄録

症例は55歳,男性.平成15年4月人間ドックにて直腸指診を施行したところ肛門縁より約3cmの直腸壁左側に約3cm大の弾性硬で表面平滑な隆起状腫瘍を触知したため,当科紹介受診した.大腸内視鏡検査では直腸Rb領域に約1/4周を占める,潰瘍や陥凹を伴わない表面平滑な腫瘍を認めた.骨盤MRIでは直腸左側にT1, T2強調画像で等信号を示し,直腸内腔および壁外へ突出する3×2cm大の腫瘤を認めた.周囲組織への浸潤やリンパ節腫大は認めなかった.針生検可能と判断し経肛門的に針生検を施行し, HE染色で紡錘形細胞の充実性増殖を認め,免疫組織染色ではCD34強陽性,平滑筋アクチン陰性, S100陰性でありGISTと診断された.リンパ節郭清は不要,肛門機能の温存可能と判断し,経仙骨的直腸部分切除術を行った.術後約20カ月を経過したが局所再発,遠隔転移はみられない.

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