66 巻 (2005) 7 号 p. 1725-1728
胆管嚢胞腺癌の1例を経験したので報告する.症例は69歳の女性.約5年前から肝嚢胞を経過観察されていた. 2002年7月,腹部超音波検査にて肝嚢胞内に乳頭状隆起とデフリ様エコーを認め,精査を行った.画像診断では肝内側区域中心に約8cm大の嚢胞性病変と嚢胞壁に約6mm大の隆起を認めた.腫瘍性嚢胞や胆管と交通した嚢胞を疑って肝嚢胞穿刺検査を行った.嚢胞内容液は白色透明な粘液で,細胞診はclass IIであった.嚢胞性肝腫瘍の診断で拡大左葉切除術を行った.摘出標本では肝内側区域中心に約8cm大の単房性嚢胞があり,内部に粘液を認めた.嚢胞壁は平滑であったが1カ所に6mm大の乳頭状隆起を認めた.病理組織検査では乳頭状隆起以外の嚢胞壁は高円柱状異型上皮で覆われ,胆管嚢胞腺腫と診断された.乳頭状隆起では異型が強く,この部分では嚢胞腺癌と診断された.腺腫の一部が癌化したものと考えられた.