日本臨床外科学会雑誌
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乳腺腺筋上皮腫の1例
石川 泰京極 高久高峰 義和林 雅造
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2005 年 66 巻 8 号 p. 1836-1840

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抄録

症例は57歳,女性,右乳房の小腫瘤を主訴に来院. 1.0cm大の境界明瞭,可動性良好な腫瘍を認めた.乳房レントゲン撮影,超音波検査では境界明瞭な腫瘍,吸引細胞診所見では良性の細胞集塊を認めた.摘出生検では割面は淡黄褐色充実性腫瘍で,周囲に白色の被膜を認めた.病理組織所見では腺上皮細胞の増生と筋上皮細胞の増生がみられ腺筋上皮腫と診断した.乳腺の腺筋上皮腫は稀な疾患で本邦では64例の報告がみられた.本疾患はほとんどが良性腫瘍であるが,稀に局所再発例,遠隔転移例もみられ,十分な切除範囲を必要とする.一方で細胞診においてはover diagnosisに注意が必要である.

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