2005 年 66 巻 8 号 p. 1860-1864
腋窩腫瘤を主訴として来院した乳癌症例を2例経験した.症例1は61歳,女性で左腋窩の腫瘤を主訴に他院を受診.腋窩の粉瘤として手術を受けた際に腺癌が指摘され,その後再度生検を行うことにより異所性乳癌と確定診断をつけることができた.症例2は47歳,女性で左腋窩の腫瘤を主訴に来院.異所性乳癌と考えて腋窩郭清を行うも,異所性乳癌の確定診断がつかず,潜在性乳癌の可能性を否定できなかったため,同側乳房に放射線照射を行った.異所性乳癌と潜在性乳癌の鑑別は不可能な場合もあるが, over treatmentにならないように留意することが必要である.