日本臨床外科学会雑誌
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自然破裂をきたした脾類表皮嚢胞の1例
加藤 公一金住 直人伊藤 不二男鈴木 祐一木村 次郎石井 正大
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キーワード: 脾臓, 嚢胞, 自然破裂
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2005 年 66 巻 8 号 p. 2004-2007

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抄録

脾類表皮嚢胞の自然破裂により急性腹症を呈した1例を報告する.症例は29歳,女性.心窩部から腹部全体におよぶ激痛,嘔吐を主訴に当院救急外来を受診.腹部全体に圧痛とBlumberg徴候を認めた.腹部CT検査にて脾嚢胞と多量の腹水貯留を認め,腹腔穿刺にて褐色の混濁した腹水が採取された.脾嚢胞破裂による汎発性腹膜炎と診断し,緊急開腹手術を施行した.脾臓には大小の嚢胞が多発しており,このうち10cm径の嚢胞の1カ所に破裂を認めた.脾の温存は不可能であり,脾臓摘出術を施行した.病理組織学的所見より,脾臓に生じた上皮性真性嚢胞-類表皮嚢胞と診断した.

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