日本臨床外科学会雑誌
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脾原発悪性リンパ腫の6例
阿部 裕鈴木 一史戸田 央亀岡 信悟
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2005 年 66 巻 8 号 p. 2008-2012

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抄録

脾原発悪性腫瘍は稀な疾患ではあるが,このうち悪性リンパ腫の頻度は比較的高い.今回われわれは, 6例の脾原発悪性リンパ腫を経験したので報告する. 1994年2月から2002年9月までに当科にて手術を施行した脾悪性リンパ腫症例は7例であり,そのうちSpierらの診断基準を満たす脾原発悪性リンパ腫症例は6例であった.組織分類は全例Bcell typeであり, CD20抗原は陽性であった.全例に術後化学療法を施行したが, 1例を除きCRが得られている. 2002年6月からの2症例にはCD20をターゲットとする分子標的抗悪性腫瘍薬であるRituximabの投与を行っている.脾原発悪性リンパ腫は予後不良な疾患であるとされているが,脾摘および術後化学療法による集学的治療で良好な予後が得られる可能性が示唆された.

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