66 巻 (2005) 9 号 p. 2209-2212
8年前に誤飲した歯牙が原因となった急性虫垂炎を経験した.症例は77歳,男性, 10日前より腹痛と微熱を自覚し来院した.来院時,右下腹部痛を訴え,右下腹部に腫瘤を触知した.腹部CTにて右下腹部に石灰化を伴う腫瘤を認めた.糞石虫垂炎を疑い,保存的治療した.腸壁の腫脹が改善するのをCTにて確認し, interval appendectomyを施行した.虫垂管内より歯牙と思われる結石を摘出した.病理学的には虫垂全長に渡り非特異性慢性炎症像を呈し,ところどころに急性炎症所見を認めた.歯牙の迷入による虫垂炎の報告は珍しく,経過が長い症例であり,興味深い症例と思われた.