日本臨床外科学会雑誌
Online ISSN : 1882-5133
Print ISSN : 1345-2843
ISSN-L : 1345-2843
胃過形成性ポリープに印環細胞癌と低分化腺癌が併存した1例
赤池 英憲梶 理史安村 友敬野方 尚矢川 彰治小澤 俊総
著者情報
ジャーナル フリー

2006 年 67 巻 1 号 p. 68-71

詳細
抄録

症例は71歳,男性.人間ドックにて上部消化管内視鏡を施行し,幽門前庭部の幽門輪近傍,前壁に亜有茎性の隆起性病変を認めた.肉眼的に過形成性ポリープを疑わせたが,生検で過形成性の成分の中に印環型の異型細胞を認めGroup IVと診断された.癌の併存が疑われたため当科へ入院し,内視鏡的ポリペクトミーを施行した.病理組織学的には胃過形成性ポリープに印環細胞癌と低分化腺癌が併存していた.胃過形成性ポリープに分化型腺癌が併存した報告は散見されるが,印環細胞癌や低分化腺癌が併存した例は極めて稀である.過去の胃過形成性ポリープに未分化型腺癌が併存した症例と併せて,文献的考察を加え報告する.

著者関連情報
© 日本臨床外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top