日本臨床外科学会雑誌
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腹腔内膿瘍が発見の契機となった小腸カルチノイドの1例
天谷 博一佐々木 久青竹 利治打波 大田中 國義広瀬 和郎
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2006 年 67 巻 1 号 p. 97-101

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抄録

症例は77歳,男性.腹痛と発熱を認め,前医で腹腔内膿瘍の経皮的ドレナージ術を施行された後,精査目的に当科入院となった.腹部CTで腹部大動脈瘤とその腹側に4cm大の膿瘍があり, 1カ月後腹部CTで膿瘍は2.5cmに縮小していたが,腹痛の症状が改善しないため手術を行った.径約1cmの回腸腫瘍と約4cmの腫大リンパ節および回腸の虚血による狭窄を認めた.組織学的にカルチノイド腫瘍と,そのリンパ節転移と診断された.術後1年現在,無再発で外来通院中である.今回われわれは,腹腔内膿瘍が発見の契機となった小腸カルチノイドの1例を経験したので文献的考察を加え報告する.

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