日本臨床外科学会雑誌
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交叉性異所性融合腎を伴う巨大腹部大動脈瘤の1例
原田 昌和岡 和則池田 宜孝坂野 尚河野 和明加藤 智栄
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2006 年 67 巻 11 号 p. 2570-2573

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抄録

症例は58歳,男性.左鼠径ヘルニアの診断で他科より紹介となる.この際,腹部拍動性腫瘤を指摘され, CTにて腹部大動脈瘤(最大径98mm)および右総腸骨動脈瘤を認め手術目的で当科入院となった. CTでは右腎はなく,当初は右腎萎縮による代償性左腎肥大と診断された.しかし3D-CTでも右腎動脈は描出されず,またDIPでは左側に腎孟を上下に認め,下位腎孟からの尿管は対側に交叉していたため,交叉性異所性融合腎と診断された.手術所見として右腎動脈は下腸間膜動脈直上の大動脈前面より認められたが,その他の奇形腎動脈は認められなかった.また右尿管は総腸骨動脈前面を交叉していた.このため下腸間膜動脈下にて大動脈を遮断し,人工血管置換術を行った.術後,血尿はなく血液生化学検査でも特に異常を認めなかった.また造影CTでも明らかな腎梗塞は認められず,術後15日目に軽快退院した.

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